あのギブソンがやばいらしい。
ま~昔からギターメーカーは潰れては復活し、また潰れ・・・を繰り返してきたのだから、
天下のギブソンといえども致し方ないのかもしれない。
フェンダーだって迷走を繰り返し、復活を果たしたのだから。
ギブソンには名機と言われるギターや迷機と揶揄されるギターをある。
迷機も時代を経て名機となりえる。
フライングVなどはその典型だろう。
マローダーも今となっては欲しいといわざるを得ない。
さて、以降はギブソン史上最高の名機レス・ポールモデルについて語ろう。
私が高校生のとき、米ドルは高かった。
なので、輸入楽器も当然高価であった。
ギブソンなど近所の楽器屋にも置いてなくて、写真を眺める程度であったが
それでもあのチェリーサンバーストは輝いて見えた。
まるで女体のような艶かしいフォルム。
ニップルのようなピックアップセレクタースイッチ。
クリーム色のピックガード。
その全てが憧れであった。
そして当時のギター少年がこぞってコピーしたのがレッド・ツエッペリン。
「狂熱のライブ」は今でも私にとって最高のアルバムのひとつだ。
と、ここまで持ち上げておいて・・・落とすのだ・・・
確かに「狂熱のライブ」は最高だ。
オールマン・ブラザーズのフィルモアイーストのライブも最高だ。
ポール・コゾフのプレイも好きだ。
スラッシュも好きだ。
・・・
しかし、レスポールの音は嫌いだ・・・
・・・だってなんかスカスカじゃん。
現代のデジタルモデリングの音になれたギターキッズ達にとってはスカスカに聞こえるんじゃないかな。
あの当時の音は。
そう。
レス・ポールって本来の音はスカスカなのよ。
硬くて、ハイが尖っていて、低音がもっさりしてるのよ。
おまけにボリュームもトーンも場所が遠くて操作性が最悪だし。
腹が当たるしひじも当たる。
体が痛い。
そして重い。
そりゃギブソンも潰れるわ。
・・・とここまで落としといて~の・・・
持ち上げるの!
近年はあの「狂熱のライブ」の音が好きになっていて、あの音が出したい!
との思いからギブソン・ジャパンに改悪される前、山野楽器が輸入代理店の時代に散々探したの。
・・・無いの。
ページや、デユアンやコゾフの音が出るレス・ポールってそんなに無いのよ!
何でかは知らん。
ヒスコレとかカスタムショップとかの50万超えクラスならあるのかもしれないが、
それじゃそうそう売れないからあまり意味が無いよね。
当時、レス・ポールの内部にランダムに丸い穴が開いていたことなんて誰も知らなかったもの。
今は決められた位置に穴が開いているようだけども、昔は個体ずつにバランス取りで穴を開けていたようだ。
そりゃ個体差が出るわな。
もし、レギュラーラインのレス・ポールで当時のスカスカの音が出るのがあれば速攻で購入しますわ。
出したくても出ないのだよね。どうしてもあの音が。
腕!って言うな!
明らかにあの音が出るのはギターの差なの!
でもね、1本だけペイジの音が出たギターがあってびっくりした。
思わず買いそうになってやめた。
なんでやめたか・・・
日本製のコピーモデルだったのよ。
おれは本家ギブソンであって欲しかった・・・・
そして今、何故にギブソンが倒産寸前なのか。
経営自体の失敗・投資の失敗・ギターが売れない。
要因は色々あるとは思う。
ただね、一度生徒さんが持ってきたギターを触って愕然とした事があるのよね。
その時からやばいとは思ってたのだけれども。
一時楽器屋さんに出回ってたSGスタイルの廉価版。
オイルフィニッシュみたいなやつ。
中国製かな?
もーやばかった。
その場で燃やしたかった。
SG自体バランスが悪くて弾きづらいのに、それをここまで酷くするとは・・・って。
ま~ね。色々言いましたが、当時の最高のレス・ポールを再現するのは時間も手間もかかって、
大変な額になるのだろうからこれまた売れなくなるのでしょうがね。
温故知新。
古いものを残しつつ、最新のものを取り入れるっつーのは、企業としては正しい選択だと思う。
0フレットやロボットチューニング。
最新のものを取り入れるのは冒険だったろうし、その勇気は称えよう。
ただ、違ったんだろうね~。
チューニングの様に。
微妙に狂ったんだろうね~。
もっと古い技術も大事にすべきだったね。
ナッシュビルの工場を規模縮小して、本来の手工芸品を生み出すラインに戻し、
ついでに東海楽器から技術支援受ければいいんじゃない?
そうで無ければレス・ポール形の家具作ればいいやん!
俺は欲しいで。
チェリーサンバーストのテーブルとか。
とか何とか言いながら私はストラトフリークなのでした。
今はそれも卒業し、レスポールの音が出るストラト型のギターを製作して満足しています。
次は・・・
ポール・リード・スミスも気をつけてね。