ピアノもギターも素晴らしい楽器です。
人生を豊かにしてくれます。
弾いてみたいな~習ってみたいな~。
そうですよね。
人生一度は華麗に弾きこなしてみたいものですよね。
私もピアノが弾ければどんなに良いか・・・と思いながらも全く練習はしていません。
練習する気にならないからです。
だって難しいんだもの。
ピアノが弾ける方も同じ思いなのでは?
ギターカッコいいやん・・・難しそう・・・
じゃあいいや。ピアノ弾けるし。
ギター側もピアノ側からも、そういう見解なんだと思います。
両方弾ける人は相当な音楽好きか、相当な努力家なんだろうな。
まさに天が与えた努力できる才能ってやつです。
さて、では本題です。
習い事としてのピアノとギターの違いについて。
結論から先に書きます。
ピアノ・・・音学
ギター・・・音楽
です。
ピアノは左手で和音、右手でメロディが弾けます。
「はい!じゃあね、左手はドミソ 右手はド~レミ~ドミ~ドミと弾いてみようか。
場所はね、ここ。そうそう。指番号はこうね。音符とリズムはほら、楽譜を見て。お~弾けたね~^^」
ピアノは教材として楽譜が最重要です。
楽譜を見て理解をし、鍵盤を押せば音楽になる。
子供でも鍵盤を押せば音が出るので、あとは楽譜の音を鍵盤に置き換えるのと、
両手の指を効率的に使えるように、ゆっくり少しづつ難易度を上げながらも間違えることなく弾けるように修練を重ねるのです。
ギターはメロディとコードを同時に弾く事が出来ません。出来る事もあります。まれに。
「はい!じゃあCコードを弾いてみようか。この絵を見て。こことここを押さえて・・・形は出来たね。
じゃあ右手で上から2本目から弾いてみようか・・・グギャピキポコ・・・うんそうだね。音出ないよね。
泣いちゃったね。指痛かったね。ごめんね。じゃあもっと簡単なのから始めてみようね。」
ギターを教えるのは大変なんですよ。
最初は音が出ないのですから。指が痛いとクレームにもなるし。
全然上手くならない!音が出ない!楽しくない!それもクレームになるんですよ。
「そんなの本人の努力次第でしょ!プンプン。」
って言ってしまったら身も蓋もありませんし、私は絶対そんなことは言いません。
そこからどう興味を持たせるか。飽きさせないか。上達させるか。
そこが先生の腕の見せ所なんです。
ギターは音を出すことが最優先で、音を楽しむことが第一の目的です。
「ここがドだよ。押さえてごらん。じゃあ押さえたままピックで弾いてみようか・・・ポコ・・・」
全然楽しくない!ってなるんですよ。普通は。
家庭用ゲーム機のボタンが一つ壊れてたらどうですか?
ゲームしなくなるでしょう?
ギターは音が出て、その音を楽しめるようになるまでにかなりの時間が掛かるのです。
ですからギターは「音楽」音を楽しむ事が最優先の楽器なのです。
音を学ぶ「音学」はずっと後で良いのです。
世の中のギターリストはたいてい音楽理論を知りませんし学んでいません。
それでもギターをカッコよく弾いています。
ドレミなんて知らなくてもギターは弾けるし楽しめるのです。
ギターは音楽なんです。
ピアノは押せば音が出ます。
猫が乗っても音が出ます。
勿論プロの演奏者が弾けば全く違う音色が奏でられますので、誤解の無きように。
ギターは音を出す意思が無ければ音になりません。
猫が指板に乗っても音は出ません。
演奏者が強い意志を持ち、ここを押さえてこの弦を選んでこのぐらいの力で良い音を出すぞ!と思えば
その意思が脳から神経を伝って電気信号として筋肉に伝え、やっと音が出るのです。
その神経伝達でさえ、かなりの修練を積んでいなければ微妙な感覚を伝えられないのです。
ですから上達しないからと言って、自分やお子さんを責めないでください。
一つの音一つのコードの音が出て、その音を楽しめる様になってから上達云々を語るべきなのです。
そしてギタリストとして一番困ることがあります。
それは・・・「なんか弾いて」
え?
ギタリストには音楽の趣味があります。
それはジャンルです。
メタル好きなギタリストに「なんか弾いて」と言えば・・・メタルの早弾きが返ってきます。
メタルを知らないあなたは「・・・なんかよく分からんが凄いね」
ブルース好きならブルースを弾くでしょう。
ファンク好きなら16ビートのカッティングを。
決して米津とかヨアソビとか弾いてくれませんよ。
それをあなたは受け入れられますか?
「禁じられた遊び」や「ちょうちょ」や何か素敵な物でも期待していたのならそれは間違いです。
ギターは完全な個人趣味の楽器で、自分の好きなジャンルを自分が楽しみたいからギターを弾くのです。
ジェイズギタージムでは曲やジャンルの押しつけはしません。
弾きたい曲が弾けるようになり、人生がもっと豊かになるようなギターを教えているのです。
「音学」はそこから先。必要となり、知りたければ教えています。
最初に「音楽」ありき。
それがギターです。
自分自身が上達の果実を得たい、他人の評価を得たいのなら人に伝える為の「音楽」を学びます。
人前で演奏する、家族に楽しんでもらいたい・・・など第三者の為にギターを弾く事で成果を得られます。
それが練習のモチベーションを保つことにもなります。
(事実、コロナ前に行っていた発表会後には生徒さんたちの技術の向上は顕著でした。)
その場合は誰もが感動するような曲を選ぶことが重要です。
誰もが知っている曲ですね。
しかし先ほど申しましたように、ギターはメロディとコードを同時に弾く事が難しい楽器です。
第三者に聞かせるには、
①弾き語り(アコギ・エレキ)
②ピックを持たずに指弾きで、コードとメロディを同時に弾く。(アコギ)
③エレキギターの場合はアドリブ。もしくはコピー。
この3種類から選ぶ必要があります。
それを選ぶのはあなたです。
第三者ではありません。
当事者であり、演奏者であり、音楽を楽しむあなたがが決める事なのです。
演奏方法が決まったら、曲を決めます。
あとは練習あるのみです。
ある程度できる様になったら第三者に披露して評価を貰いましょう。
その先どうするかもあなた次第です。
もっと上手くなりたい!
音楽理論を知りたい!
別のジャンルに挑戦したい!
そういう思いが沸き上がってきたのなら、しめたものです。
是非ご相談ください。
いや・・・別にこのまま楽しく弾ければいいので・・・
それもありです。
マイペースで弾き続けてください。
音楽を楽しむにはギターは最適な楽器です。
気軽で、持ち歩きも出来て、場所も取らない。
楽譜が読めなくても音楽が出来る。
最高じゃないですか。
ピアノもギターも素晴らしい楽器です。
しかし、「ピアノを習っていたけど先生が厳しすぎて面白くなくなったからギターを始めた。」
そういう方が多いのも事実です。
そりゃそうです。
ピアノは「音学」
ギターは「音楽」
ピアノは最初から楽譜を見ながら学ぶことが大事です。
だって間違えたら音楽にならないのですから。
過去の偉人たちが作曲した素晴らしい曲を間違えるとは何事か!失礼にもほどがある!
なんて大袈裟ですが、自分ならそう思います。
ギターの場合だと、「間違えた?まあええやん。知らんけど。間違えたの分かったの?すごいやん」
てな感じでアバウトなんですよ。
まあ間違えたら楽しくないので、あとでこっそり練習するんですけどね。
ピアノを馬鹿にしているのではなく、楽譜通りに弾かなければ楽しくないし音感が狂ってしまうことが怖いので
ピアノは厳しくなければならないのが大正解なんです。
ギターはもともとチューニング自体があやふやな楽器ですから、指の痛みさえ克服できたのなら
よく我慢したね!と自分を褒めてあげれる程度の楽器なのです。
その内にしっかりとした音感、リズム感、演奏力が身についてきます。
求めるならば・・・の話ですが。
いずれにせよ、楽しみたいのであれば遊び感覚で。
極めたいのであれば、相当な覚悟を持って挑む。
どんなことでもこれは不変です。
以上がギターとピアノの違いについてのお話でした。
以下おまけ。