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ギターのオイルフィニッシュについて(追記)

ようこそお越しくださいました。

 

吉祥寺のギター教室 ジェイズギタージムの吉田”鉄弦”ジローです。

 

過去記事から来られた方も、どうぞこの記事をお楽しみください。

 

まずはこのギターをご覧ください。

これはオイルフィニッシュです。

 

スワンプアッシュに2回ほど塗っただけです。

 

なかなかいい出来でオーナーにも好評でした。

今回のブログは過去記事「ギターのオイルフィニッシュについて」の追記となります。

 

オイルフィニッシュのみに特化してお話ししたいと思います。

 

最適なオイルはどれか?

オイルフィニッシュと言えば定番のワトコオイルですね。

 

以前はこれを使っていました。

 

が、これめっちゃ臭いんですよ。

魚臭い。

 

乾きも遅いし、もう無理!ってなりました。

 

今は使っていません。

 


ロハスオイル

 

先の画像のギターにはこのロハスオイルを使用しました。

カラー番号はL32のパステルブルーです。

 

パステル系のカラーはロハスオイルかU-OILしか販売がありません。と思われます。

多分ですがロハスオイルはU-OILのOEM製品かと。

 

ワトコであろうがロハスであろうが、オイルの主成分は亜麻仁油です。

ならばこれを使っても問題ない。

 

自然素材100%らしいので何かと安心です。

 

一番のお気に入り点はカラーが豊富な事です。

特にパステルカラーは発色も良くていい感じ。

 

使用時にはよく撹拌する事。底に顔料が溜まっています。

 

塗布方法はウエスで擦り付ける様に塗ります。

自分は1回目はシャイネックスサンディングシートを使って、オイルサンディングしながら塗りつけています。

 

匂いは特にありません。

しばらく置いてから2回目をウエスで塗りつけます。

 

*注意点としては、あくまで顔料入りオイルなので下地を覆い隠すことはできません。

うっすらと色が乗る程度です。シースルーにしかなりませんので。

2回以上塗っても顔料が取れていくだけです。

下地を覆い隠したい時は、染料で染めて顔料入りのウレタンオイルで仕上げなければなりません。

 

アッシュのように白い木材にはどんな色でも見本に近くなるのですが、ツルツルの導管が無い部分には

色がなかなか残ってくれません。

全体にまんべんなく色を乗せたい場合は染色かスプレーでの塗装しかありません。

 

アルダーの様に赤系の木材には青系の色は見本通りに再現できないので、漂白が必要です。

漂白剤のハイターをウエスで塗りつけてしばらく放置してけば大丈夫です。

後に軽く水拭きします。

 

最近はこのロハスオイルがお気に入りです。

お勧めいたします。

アルダーにパステルブルー
アルダーにパステルブルー

メンテ・仕上げには蜜蝋オイル


オイルは24時間程度で乾燥します。

 

仕上げとしては、乾いたウエスでごしごし擦ります。

カラーオイルの色が少し取れるかもしれませんが気にしない。

 

これで表面がつるっとした艶消し状態になります。

 

そして仕上げに蜜蝋クリーム!

 

決して高価な蜜蝋ワックスを使用する必要はありません。

楽器専用とか意味がありません。

主成分は蜜蝋と亜麻仁油ですから。

 

上記に紹介した蜜蝋クリームは、おそらく尾山木材のOEM製品でしょう。

品質には何ら問題ありません。安心してお使いください。

 

蜜蝋クリームの使用方法は、少し手に取り手の平で擦り付ける様に塗りつけます。

手のひらは最も細かい番手のサンドペーパーです。

 

塗りつけたら磨くようにウエスで拭き取ります。

 

これでしっとりとした艶が生まれます。

 

そして完成です。

 

オイルフィニッシュの所要時間は最短で24時間!

メンテもたまに蜜蝋クリームで磨けばよいのです。

 

何てお手軽なんでしょう!

オイルフィニッシュの音とは?


音については同じ個体でラッカーとオイルフィニッシュを録音したり波形で比べたりしないと判りません。

 

これがオイルフィニッシュの音だ!なんて事は誰にも分からないのです。

 

ギターその物の素養、セッティング、ピックアップ。

それらの出す音にオイルフィニッシュも少しは関わっているのかもしれませんが。

オイルのデメリットは感じません。

ウレタンオイルで仕上げ


オイルフィニッシュの最後の仕上げにウレタンオイルを薄く塗りつける事もあります。

 

オイルフィニッシュにどうしても不安があるときに、ウレタンオイルは水分から保護してくれます。

 

この場合は木材に浸透せず、皮膜として薄くウレタン樹脂が残ります。

 

塗布回数は1回です。

ウエスで薄く塗った後に拭き取ればOKです。

 

ウエスの跡を残さぬように拭き取ります。

 

最後の仕上げに蜜蝋ワックスで磨けばいいでしょう。

ウレタンオイルで鏡面仕上げ


下地を塗りつぶしたい時や鏡面加工したい時はウレタン入りオイルを使用します。

 

めっちゃ臭いので換気を十分にしてください。

 

下地に色を着ける場合は皮革用染色材を使います。

*注意点としては染色材はアルコールベースですので、ウレタンオイルと交わるとジェル状になります。

染色材が完全に乾燥してからか、染色材が濃く固まっているところは事前にサンディングしてください。

 

ウレタンオイルで出来ない色もあります。

真っ白は出来ません。

ウレタンオイルはほんのり飴色です。

アルペンホワイトは無理です。出来ません。

 

黒く塗りたい場合はレザーダイの黒で染色し、ウレタンオイルの黒で上塗りを重ねていきます。

真っ黒になったらクリアのウレタンオイルで厚みが出るまで上塗りを繰り返します。

一気に厚塗りしないでウエスで薄く塗り重ねていきます。

この際ウエス跡があまり残らないようにしてください。

 

一回塗るたびに6時間ほど乾燥させます。

 

これを一日2回、2週間から3週間続けます。

途中、800番くらいで軽く水研ぎもします。

 

充分に厚みが出来たら、800~3000番くらいまで水研ぎをして最後にコンパウンドで仕上げます。

 

これで市販品にも負けないくらいの鏡面加工が出来上がりです。

 

まあラッカー並みに時間は掛かりますが、塗装スペースが無い方にはお勧めの方法です。

 

お勧めのウレタンオイル


色々試しましたが、アサヒペン ジェルカラーニスがお勧めです。

 

水性ウレタンニスは全然ダメでした。

ラッカーとウレタン、音の違い


ラッカーとウレタンの音の違いですが、これも同一個体で録音してみないと何とも言えません。

 

フェンダーは70年代からウレタンを使い始め自分もラッカーとウレタンのストラトを使っていましたが、

個体差としか違いは分かりませんでした。

 

自然な経年変化をお望みならラッカー、自分で塗装したいが塗装設備が無い方はウレタン。

 

それでいいのではないでしょうか?

 

以上、ギターのオイルフィニッシュについての追記でした。

 

ご参考になれば幸いです。

 

便宜上アマゾンの画像を使用しましたが、アマゾンで購入する必要はありません^^

 

それではよいギターライフを!

 

 

てつげん

 

ウレタン&オイルフィニッシュのギターたち