ギターのオイルフィニッシュについて。

まずはこのギターを見てください。

 

6年位前に始めて自作して以来、実験と実証を重ねてきた実験機です。

 

以前はこんな感じでした。

ボデイはアッシュ(スワンプでは無い。激重。)

 

当初の塗装はラッカー。

 

色はアクリル絵の具を使っています。

 

絵の具?大丈夫?

 

なんて声も聞かれますが、素材そのものはアクリル樹脂ですしラッカーにもアクリル樹脂が入っていますので大丈夫かと思います。

 

特に問題は無かったのですが、木目を埋めるほど色を重ねると分厚くなりますので、音に影響があります。

 

アクリル樹脂そのものは柔らかいので、分厚くすると振動を吸収するように思われます。

 

この現象については他のギターで試しましたので確認済みです。

 

 

今回は、このギターの塗装をはがしてオイルフィニッシュにします。

塗装はアイロンで柔らかくしてからこそぎ落とします。

OLFAです。
OLFAです。

実は面倒だったので、ルーターで1ミリほど一気に木材ごと削り落としました。

 

元々ボディが腰痛になるほど重かったので、軽量化の意味を込めて。

 

その後は180番のペーパーでならして着色です。

 

このボディは木の導管が太く荒いので、綺麗に磨いてもしょうがないのと、削り傷が残っているほうが

 

古い家具みたいでよい感じだったので、綺麗には磨きません。

 

 

着色は皮革用染料です。

 

着色されたオイルのほうが楽ですが、手元に無かったので。

 

オイルはWATCOのクリアです。

左からレザーダイ・WATCO・ジェルカラーニス
左からレザーダイ・WATCO・ジェルカラーニス

ギターは一度全バラシして、全部のネジ穴を埋めました。

 

ボディはアイチ木材のオーダー品。ネックはアトランシア。

 

最近製作しているギターにはワーモスのボディとネックを組み合わせています。

 

さすがにネックのセンター出しなど必要なく、ポン付けOKですから。

 

しかし、アイモクとアトランシアではそうは上手くいきません。

 

改めてセンター出しをするために全てのネジ穴を空け直しました。

 

アイモクにボディを発注する場合は、微調整を追加発注する必要がありますが、それは秘密です。

 

 

そして完成!

オイルフィニッシュは木材に浸透して酸化した層を作り、水分をブロックします。

 

ヌルッとしたオイル感や匂いが消えるまで1ヶ月は掛かると思います。

 

オイルフィニッシュは気軽に塗れますが、その後のメンテが必要になってきます。

 

 

では音はどうか?

 

 

実は良くわかりません。

 

ラッカー塗装時の波形とオイルフィニッシュG後の波形を見比べないと違いはわかりません。

 

ピックアップも換えていますし、同一条件では無いからですが。

 

 

イメージとしては、「しっとりとした暴れ馬」てな感じでしょうか。

 

 

まじめな話、ラッカー・ウレタンの場合は硬くて薄い皮膜がボディの振動を留めることにより、

 

サスティンと音色を整える効果があるように思っています。

 

オイルフィニッシュの場合、表面はまんま木なのでボディ内の空気や粒子の振動をすぐに放出してしまい、

 

木材の特性がそのまま音になるような感じがします。

 

 

あくまで印象です。

 

 

あながち間違ってないような気もしますが・・・

 

 

 

ちなみにオイルフィニッシュにはこんなのもあります。

これらは、ボディに着色後、ジェルカラーニス(クリア)にてフィニッシュしています。

 

 

ジェルカラーニスはウレタン入りのオイルです。

 

木材に浸透してウレタンの膜を作りますが、塗り重ねていくとボディをコーティングしてくれます。

 

厚みが増していくので、鏡面加工も可能となります。

 

仕上がりはラッカーと比べても遜色はありませんので、その手軽さから多用しています。

 

オイルそのものは揮発するので、乾燥後はヌルヌルしません。

 

 

ウレタンですが極薄に仕上げられますので、通常のオイルフィニッシュとは仕上がりも目的も別のものになります。

 

 

1日1~2回塗りで20回ぐらいは塗り重ねますのが、乾燥は速いのでラッカー塗装と比べても総合的に時間が掛かるといった事は無いと思います。

 

 

ただ匂いがね・・・

 

この独特のにおいが消えるまで、やはり1ヶ月は掛かるかな・・・

 

軽油・灯油に近い匂いですかね。

 

 

匂い以外は使いやすいし音も悪くないので、お勧めします。

 

 

 

といった感じで今回もサクっとオイルフィニッシュを完成させたわけですが、この手軽さを味わってしまうと

 

今後全てのギターをオイルフィニッシュで作ってしまいそうで怖い・・・

 

 

皆さんも手軽なオイルフィニッシュにチャレンジしてください。

 

オイルにもいろんな種類がありますので、探してみるのも楽しみの一つです。

 

 

それでは長々とお付き合いありがとうございました。

 

文中、間違った記述があればご指摘ください。

 

 

それでは皆様、グッドラック!

 

 

てつげんでした。